噛み合わせ治療
歯を削ることを最小限に抑えた方法で、患者様の負担を軽減します。
噛み合わせは、歯並びや顎の動きだけでなく、全身の健康にも大きく影響するといわれています。
歯はあごの骨や筋肉と連動して動き、体全体のバランスを保つ上で重要な役割を果たします。
噛み合わせがずれていると、特定の歯や筋肉に負担がかかり、頭痛や肩こり、姿勢の乱れなどを引き起こす可能性があります。
当院では、歯やあごの状態だけでなく、体全体を考慮した総合的な噛み合わせの治療を行っています。
噛み合わせが全身に及ぼす影響

歯科で「咬合(こうごう)」と呼ばれる噛み合わせは、地球の重力に対抗しながら立つ体のバランスとも深く関係しています。
かみ合う歯がずれると、筋肉や関節の動きに偏りが生じるため、体のどこかがそれを補おうとして歪みを生じることがあります。
こうした歯と体の相互作用を踏まえ、噛み合わせの改善は口だけでなく姿勢や筋肉の調整にもつながると考えられます。
当院が大切にしているポイント
全体的な口腔機能への配慮
噛み合わせを整えるうえで、単に歯と歯が当たる部分だけを調整するのではなく、あごの関節や口周りの筋肉、唾液の分泌量なども見極めます。
虫歯や歯周病がある場合は、そちらの治療と並行して行い、お口全体の健康を維持しながら噛み合わせを整える方針を大切にしています。
一人ひとりにあわせた治療計画
噛み合わせは人それぞれの生活習慣や姿勢、筋肉のつき方によって異なります。
当院では、レントゲン撮影や口腔内写真、時には全身の写真も参考にしながら、患者様一人ひとりの咬合状態を把握します。
その結果に基づいて、調整の優先度や治療手順を決定し、無理のないスケジュールを組み立てます。
保守的なアプローチ
歯を大きく削ったり抜いたりすることは、将来的なリスクが高まる可能性があります。
なるべく健康な歯を残すために、最低限の修正や調整で問題を解決できるよう、咬合調整やマウスピース、簡単な矯正などを検討します。
大幅な変更を行う前に、まずは保守的な方法で改善できるかどうかを確認し、必要に応じて段階的に治療を進めます。
総合的なアプローチ
噛み合わせの治療には、場合によっては矯正治療や入れ歯の使用、さらに顎関節のリハビリなど多方面にわたる対策が必要になることがあります。
当院では、各治療法を組み合わせながら、より良いかみ合わせと体全体のバランスをサポートします。
矯正治療や入れ歯、かぶせ物の調整などを含め、適切な方法を選択して総合的なアプローチを行います。
噛み合わせ治療の具体例
咬合紙を使ったチェック

咬合紙と呼ばれる薄い紙をかみ合わせの間に挟み、どの部分に強い力がかかっているかを確認します。
顎の動きや筋肉の動作を観察しながら、力のバランスが崩れていないかを分析します。
必要に応じて歯の高さをわずかに調整し、負担を均等に分散させます。
マウスガードやスプリント

歯ぎしりやくいしばりが原因で噛み合わせが乱れている場合は、就寝時にマウスガードやスプリントを装着して負荷を軽減します。
これによって筋肉や関節への過剰な力を抑え、歯へのダメージを防ぐことができます。
スポーツ用のマウスガードを作製し、競技中の衝撃から歯やあごを保護することもあります。
矯正装置の活用

大きく歯列がずれている場合や、子どもの頃から歯並びを改善する必要があると判断した場合には、矯正治療を検討します。
成長期であれば、あごの発育を利用して歯が並ぶスペースを確保できる可能性がありますが、大人でも適切な装置を用いれば、歯並びと噛み合わせを整えられます。
噛み合わせ治療の流れ
1. カウンセリング・検査
まずは痛みや不快感、普段の生活で気になる癖などを詳しくお聞きします。
その後、レントゲン撮影や口腔内の写真撮影、咬合紙を使ったかみ合わせチェックなどを行い、問題点を洗い出します。
2. 治療計画の説明
検査結果をもとに、噛み合わせのずれや問題の原因を説明します。
症状の程度や生活習慣を踏まえ、矯正装置やマウスガード、簡単な歯の調整など、最適な治療法をいくつか提案します。
3. 治療の実施
マウスガードの作成や咬合調整、矯正治療を開始します。
定期的に通院し、咬合バランスが安定しているかを確認しながら治療を進めていきます。
必要に応じて筋肉のリハビリや姿勢指導も行います。
4. メンテナンス
噛み合わせが安定した後も、定期的に通院して状態をチェックします。
歯ぎしりの有無や姿勢の変化などを観察し、問題が再発しないようにフォローアップを続けます。
保守的な手法でも十分に改善が見られない場合は、治療法の再検討を行います。
噛み合わせと生活習慣
頬杖やうつぶせ寝などの悪習慣
態癖(たいへき)と呼ばれる頬杖やうつぶせ寝、片方ばかりで噛む癖などは、歯やあごに偏った力がかかり、噛み合わせを崩す原因になります。
噛み合わせ治療と併せて、こうした習慣を見直すことで効果的な改善が期待できます。
ストレスや歯ぎしり
ストレスがかかると無意識に歯をくいしばったり、寝ている間に歯ぎしりをしたりする方が多くいます。
歯ぎしりやくいしばりは、歯や顎関節に大きな負担をかけ、噛み合わせのバランスを乱す要因になります。
マウスガードを使って負荷を軽減するとともに、生活習慣やストレスマネジメントにも目を向けます。
噛み合わせ治療で得られるメリット
- 肩こりや頭痛の緩和
- 顎関節症や歯ぎしりの改善
- 発音や食事のしやすさの向上
- 全身のバランスが整い、疲れにくい体づくり
噛み合わせが良くなると、単に歯がしっかりかみ合うだけでなく、筋肉や関節への負担が減り、日常生活が快適になることが多いです。

当院の取り組み
当院は、噛み合わせ治療においても「体全体との調和」を大切にしています。
保守的なアプローチを優先し、必要に応じて矯正や義歯、マウスガードなどを組み合わせながら、一人ひとりに合った治療計画を作成します。
噛み合わせの乱れでお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
全体的な口腔機能と体のバランスを考慮した治療で、より健康的な生活をサポートいたします。