顎関節症治療

患者様の生活習慣を踏まえ、多面的なアプローチで顎関節の痛みや不快感を軽減します。
症状に合わせた治療計画を丁寧にご説明いたします。

顎関節症とは、あごの関節や周囲の筋肉にトラブルが生じることで、痛みや口の開閉の不具合、カクカクと音が鳴るなどの症状が出る状態を指します。
原因は噛み合わせの乱れだけでなく、ストレスや生活習慣による顎への過度な負荷など、多岐にわたります。
当院では、顎関節の動きとお口全体の健康を総合的に捉え、できるだけ痛みや不快感を抑えた治療を心掛けています。

顎関節症の主な症状|内村歯科医院

顎関節症の主な症状

  • 口を開閉するとあごが痛む
  • あごがカクカク、ゴリゴリと音がする
  • 口が大きく開かず、食事や会話に支障が出る
  • 噛みしめると耳の奥や頭が痛む
  • 首や肩のこりがひどくなる

上記のような症状が続く場合、顎関節症の可能性があります。
一時的な痛みであっても、放置すると症状が悪化する可能性があるため、早めの受診が大切です。

当院が大切にしているポイント

1. 正確な診断と評価

顎関節の機能障害を詳しく診断し、患者様それぞれの原因や状態を見極めます。
噛み合わせや生活習慣、筋肉の硬さなど、あらゆる角度から原因を探り、最適な治療計画を立てることを重視しています。

2. 多面的なアプローチ

顎関節症には、物理療法(マッサージやあごの運動療法)、薬物療法(炎症や痛みの緩和)、行動療法(姿勢や生活習慣の改善)など、複数の治療法を組み合わせることが有効です。
症状の程度やライフスタイルを考慮しながら、最適な治療法を選びます。

3. 患者様の生活への配慮

頬杖やうつぶせ寝、歯ぎしりなどの癖(態癖)は、顎関節症の原因や悪化要因になると言われています。
日常生活の中でどのようにあごに負担がかかっているかを確認し、具体的な対策や指導を行います。

4. 最小限の侵襲

できるだけ外科的処置を回避し、マウスピースや筋肉のリハビリなど、保守的な方法で症状を改善することを目指します。
痛みが強い場合でも、患者様の負担を減らすよう配慮しながら治療を進めていきます。

5. 継続的なフォローアップ

顎関節症は、治療が一旦落ち着いても、再発や症状のぶり返しが起こる可能性があります。
定期的に通院いただき、経過を観察しながら必要に応じて治療方針を調整します。

顎関節症の主な原因

態癖(たいへき)

態癖|内村歯科医院

頬杖やうつぶせ寝、片側ばかりで噛む、唇や舌の癖など、知らず知らずのうちにあごに負担をかけている行動を総称して態癖と呼びます。
これらの習慣は、歯やあごの動きを偏らせ、歯列や噛み合わせを乱すだけでなく、顎関節にも大きな負荷を与えます。

噛み合わせの乱れ

噛み合わせの乱れ|内村歯科医院

歯並びや噛み合わせに問題があると、あごの関節や筋肉に負担がかかり、顎関節症の症状が出やすくなります。
矯正治療や補綴処置(かぶせ物、ブリッジなど)を行う際に、噛み合わせの微調整も同時に進めることで改善を図ります。

歯ぎしり・くいしばり

歯ぎしり食いしばり|内村歯科医院

ストレスや睡眠時の姿勢などが原因で、歯ぎしりやくいしばりが起こる場合があります。
これらはあごの関節や筋肉に非常に強い力を加え、顎関節症を悪化させる要因になります。
就寝時のマウスピース装着などで対処することが多いです。

当院の治療方法

1. 咬合調整と筋肉リハビリ

噛み合わせをチェックし、必要に応じて咬合紙などを使いながら歯の高さや接触点を調整します。
筋肉がこり固まっている場合には、軽いマッサージやストレッチを取り入れ、あごまわりの筋肉を柔らかく保ちます。

2. スプリント(オクルーザルスプリント)の使用

歯ぎしりやくいしばりがある方は、スプリント(マウスピース)を夜間装着していただくことで、顎関節への負担を和らげます。
痛みや腫れを抑えながら、筋肉や関節をリラックスした状態に導く効果が期待できます。

3. 生活習慣や姿勢の指導

態癖を改善するために、頬杖をつかないよう意識する、横向きやうつぶせ寝を避けるなど、日常生活での注意点をお伝えします。
また、スマホやパソコン作業時の姿勢にも気をつけると、あごだけでなく肩や首への負担軽減にもつながります。

4. 薬物療法

痛みが強い場合や炎症が見られる場合には、消炎鎮痛剤を処方し、一時的に症状を和らげながら治療を進めることもあります。
薬に頼りすぎないよう、リハビリや習慣改善と併用して行います。

5. 矯正治療や補綴処置の併用

歯並びに大きな乱れがある場合や、噛み合わせを根本的に改善する必要がある場合は、矯正治療を提案することもあります。
かぶせ物やブリッジ、インプラントなどで咬合バランスを調整する補綴処置が必要になるケースも考慮します。

治療の流れ

検査と診断

初診では、症状や生活習慣を詳しく伺い、顎関節や筋肉の状態を確認します。
レントゲンを撮影することもあり、あごの骨や関節円板の状態をチェックします。

治療計画の説明

検査結果に基づき、どのような治療が適しているかを説明します。
スプリントの装着やマッサージ、咬合調整など、複数の方法を組み合わせる場合が多いです。

治療の実施

実際にスプリントを作製したり、歯の噛み合わせを調整したりします。
痛みが強い場合には、消炎鎮痛剤の処方や物理療法などを行い、症状の軽減を図ります。

定期的なフォローアップ

治療後も定期的に通院し、顎関節や噛み合わせに不調が出ていないか確認します。
歯ぎしりや姿勢などの癖が改善されているかもチェックし、必要に応じて治療計画を見直します。

顎関節症対策における当院のポイント

  • 患者様のライフスタイルを理解する
    日常生活であごに負担がかからないよう、姿勢や食事、ストレスなどあらゆる面を考慮します。
  • 最小限の侵襲を目指す
    いきなり外科的処置をするのではなく、保守的な方法を優先します。
  • 継続的なケア
    顎関節症は再発するケースが珍しくありません。
    長期的にフォローしながら、症状のぶり返しを防ぎます。

顎関節症は、原因が一つであるとは限らず、複数の要因が絡み合っている場合が多いです。
当院では、患者様と丁寧にコミュニケーションを重ね、それぞれの状況に合った治療プランを立案いたします。
あごの痛みや違和感、開け閉めのしにくさなど、気になる症状があれば早めにご相談ください。
お口や身体全体との調和を考えながら、顎関節を健やかに保つお手伝いをさせていただきます。